- 2024/11/24
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このサイトは一次創作の短編・連載小説を主に置いています。宜しければご覧下さいませ。
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関係のない話をしようか。例えば私が一冊の本を買ったとする。その本はなんの変哲もない本で、何処ででも買えるただの本。そんな本でも、私にとってはとても大事な本であったとする。なに、理由などないさ。ただ、なんとなく大事な本だとする。そうしたら、その本は本当にどこにでもあるような本なのだろうか。
例えば、私が一枚のハンカチを持っていたとする。それはとても高価なハンカチで、世界に一枚しかない貴重なハンカチだ。しかし、もし私がそのことを知らなかったらどうだろう。私にとってそのハンカチは、そこらのありふれたハンカチとなんの変わりもないのではないだろうか。
何が言いたいのか?要するにモノの価値というのは、見る側の考えによって幾らでも変わるということさ。持っている、見ているものが価値がないと思えば価値などなくなるし、とても価値があると思えば価値がある。極端な話、この世界だって私は価値のないものにすることが出来るんだ。あくまでも、私にとって、だがね。
ところで、君は君に価値が無いと言ったね。それはどういう意味かね?君は本当に自分に価値がないと思っているのか。それで私のところまでわざわざ尋ねて来たのかね。
仮に君が本当に価値のない人間だとする。では、君はそこらで死体をあさっている烏よりも価値がないのかね。いや、もしかするとそうかもしれない。君がそう思ってしまえばね。しかし、君がもしありとあらゆる富よりも自分は価値があると思えば、そうなるのさ。あくまでも君にとっては、だが。訳のわからぬ理屈だと思うだろうが、それが真理なのだ。
そもそも、君にとっての価値とは何かね。人に評価されることか、それとも地位や名誉か。君にとっての価値が何なのか。それは私には諮りかねる。しかしながら、世間で言う人の価値とは、その人間の性格の資質、社会での貢献度など多岐にわたると私は思う。だから君が仮に価値がないとしても、もしかすると社会的資質においては価値があるかもしれない。君にとって価値はなくても、他の誰かにとっては価値があるかもしれない。おわかりかな?
そこでなんだが、君は非常に私にとって価値のある人間だ。私の作品にはどうしても君が必要なんだが、協力してくはしないだろうか。もう君が君の価値を見出せないのならば、この世界に居ないのも同然だろう。それならば、私が一番君を有効に使うことが出来ると思うのだが、どうだろうか。無理にとは言わないよ。これはあくまでも、私の考えだからね。